2022/12/27 15:36

今回は翻訳コースの「悪かったこと」をどのように補ったか書きたいと思います。


オーストラリア翻訳国家試験NAATI(英日)に合格したころの学習(01) ごあいさつ


前回のエントリーは7月!
5か月もあいてしまいました。。。

今回は「翻訳コースの悪かった点をどのように補ったか」を書こうと思います。

1点目の「クラスメイトとのつながりができにくかった」のをどのように補ったかですが、
・日本人以外の学生にかなり名前を覚えてもらえて、話ができた
・勉強会を続けて、そのつながりで勉強仲間ができた
ということが挙げられます。

1点目は全体講義中にかなり発言したので(アラブ人の次に)、名前がかなり知られていて、何年もたってから「あの講義に参加してましたよね?」って言われることもあったほどです。
積極的に無料の英語教室にも通ったので、そこでの学習仲間(中国人とか)とも話すようになりました。

勉強会は継続的に参加していて、効果を実感したため、どんどん積極的に取り組んでいきました。
過去の試験を受けた人たちなどもどんどんいっしょになって勉強するようになりました。
もちろん勉強だけでなく、そこからお仕事やお出かけなどいろいろな活動が広がりました。

とにかく、積極的になること、発言すること、こういう行為がいろいろなつながりを増やしていくのだなーと思います。


2点目の「翻訳の勉強にほぼすべての時間を費やした」という欠点ですが、これは必要なことでした。
ただ、だんだん集中力が高まっていき、あまり時間をかけなくてもいいようになりました(といっても1日2時間はやっていたはずですが)。
どうやって集中力を高めて勉強を効率化していったか、ですが、まず最初が集中しなさすぎ、というのもあり(つまりマイナスから始めているのでものすごく効果が高いように感じる)。

・大学の勉強室を借り、授業のない日も片道1時間かけて通い、自分で2時間ぐらい模擬試験をした。
・家で勉強する日も時間を測り、模擬試験をした。
・大きな減点(誤訳)を避けるために、間違いやすい文法をじっくり練習した。

片道1時間なので合計2時間ロスしているわけですが、それでも家にいるよりは勉強がはかどるため、大学まで行きました。
それにキャンパスはシティ内にあるため、地元とは雰囲気がまるで異なり、気分転換にもなります。

大学でも家でも、模試をした後には必ず対訳で復習します。
対訳(解答)のないものは、ひとりでやる時にはほとんど手を付けませんでした、意味がないので。
対訳を使った勉強法についてはまた詳しく書く予定です。

効率化という点では、時間を測ることで、まずダラダラしなくなります。
次に「時間内にやり終えないと不合格になる」と思い込むので、ひとり模試でも何らかのプラスのプレッシャーがかかり、これが「集中力アップ」につながるようです。
集中力が続かずにすぐにだらっとしてしまう方、「場所を変えて時間を測る」これを1度やってみてください♪


3つ目の「文法をじっくり勉強すること」がなぜ集中力アップと効率化につながったのかですが、あいまいな文法をつぶしていくことで、読解時間が早くなります。
自分の理解力に自信がつくので、あとは日本語の表現をどれだけ整えるか、英語とのバランスをどの程度取っておくか、という部分の問題だけになります(NAATI試験は、辞書を試験中に使えます)。


3点目の先生によって翻訳の仕方の許容レベルが異なるという欠点。
先生と相性を合わせに行くという方法以外に、どのように補っていたか。

・実際の試験を採点する先生の嗜好を押さえる
・模範解答の訳がひどいと感じる時は相手にしない
・ベースとなる丁寧な国語の習得

まずNAATIに受からないといけませんので、誰が採点するかを把握しておく必要があります。
私の時にはわかっていて、教えてくれていた先生と、もうひとり誰か、のふたりとなっていました。
ですので、確実にその時習っていた先生の嗜好に合わせておく(50%は確保)努力はしました。

数学ではないので、答えは一つではありませんが、どうしても「この日本語はないだろっ!」って突っ込みたくなる時はあります。
そこを議論しても時間の無駄なので取り合わないことにしました。

丁寧な国語の習得。
日本語の習得ではないところがみそです。
外国にいると「日本語を教える」というシチュエーションがちょくちょく出てきます。
そんななかで、「は」のほうが自然なのか「が」のほうが自然なのか、考え込むことになりますね。
ただ私の場合はたまたま、日本語ではなく国語の指導にかかわることができたので、幸いでした。
私が「国語」を習っていた時にはおそらく無視していたであろう表現の問題を、大人目線で見るとよくわかることよくわかること。
国語の教科書、指導書、作文指導教材、などなどためになります。
このような日本の、日本人の為の教材のベースを学びなおしておくと、先生によってあれこれ違うことを言われても鼻で笑えるぐらい自信がつきます。


4つ目の欠点である権威が押しに弱いことについてはスルーです。

5つ目の「NAATI英日」って資格とっても仕事にならないというものすごい欠点。
これは自分では補うことはできないので、どう対応したかを書きます。
ある程度努力はしました。
いやいやHigh Distinctionで一発合格してるのに仕事が1件も回ってこないっておかしいでしょ、翻訳の仕事がないなら私に授業を教えさせてよ、と学部長に交渉もしました。
どうしても英日の仕事がないという業界について教わった後、学部長の推薦書とともに仕事に応募しましたが、やはりうまくいかず、あれこれしているうちに、翻訳の仕事が魅力的ではなくなってきました。。。(えっ!! あ、でもこれ結構よくあることみたいです)

通訳の方がずっと稼げるし、通訳ガイド的なものでもずっと稼げる。

はい、ごくまれに翻訳の仕事も回ってきましたが、この国家試験の資格を継続するにあたってはそんなまれな仕事量では更新は無理。
オーストラリアでは賃金がどんな職業でも高いため、翻訳のような稼げない仕事はどんどん魅力が薄れていくのです。
肩は凝るし、時間は取られるし、良いことがひとつもない。

という大どんでん返しが私を待っていたのでした。

では次回からは具体的なNAATI英日翻訳の勉強方法(試験対策)について書いてみたいと思います。
・パラレルトランスレーション編
・勉強会編
・講義発言編
・ツール編
・日本語編
・教材編
を考えています♪